イワケーン日記

何かを巻き起こす良いハリケーンでいたい。建築・インテリアデザインの仕事がメインです。このブログに書いているのは正しい意見ではなく、「僕が感じたこと」の記録です。@iwakeen1017

天才・凡人・才能に悩んだら読むと考えさせられる本

こんにちは。イワケーンです。

「天才・凡人・才能系の悩み」について役立つ記事です。笑

・自分に才能があるのかわからない。

・天才を目の当たりにして自信をなくした。

・凡人は何をすれば良いのか。

という方には何か一助になるかもしれません。

f:id:iwakeen:20200517173042j:plain

誰もが幼少期に何かに憧れて「きっと自分はこんな風な人間になるんだ」と思いを馳せていた頃があったのはないでしょうか。その対象がはいろんな職業に向けられていたと思います。男の子であれば野球選手やサッカー選手、警察官、お医者さんなど。女の子であれば保育士や幼稚園の先生、看護師や花屋さんなど。少しずつ大人に近づくにつれてその考えに具体性を持ち、専門の職業を目指して学校や資格に通う。しかし次第に、自分の思いと現実とのギャップを突きつけられたりして悩むことが多くなると思います。

 

「自分には才能がないのかな。」

「僕は凡人なのかな。」

「彼女は天才で敵わない。」

 

特に上記の様な事について悩む事もしばしばあると思います。とても辛い悩みであり、時には人生を苦しめる内容だと思います。今回の記事では、そんな時に読むと心が軽くなったり、踏ん切りをつけることができる書籍を紹介します。

 

紹介したいのは下記の3冊です。

本としては、文学小説、ビジネス本、漫画というジャンルで異なるのですが、内容としては似通った要素が多く、いずれも「天才と凡人」についてがテーマです。
 

1.「月と6ペンス」サマセット・モーム(1919年出版)

僕の大好きな小説の一つです。この本は100年前にイギリス人であるモームさんによって書かれた小説です。モームさんは元イギリス諜報員の一員でジュネーブの諜報活動中に激務で体を壊してしまい、療養中にこの作品を書き上げました。実話を基にした伝聞伝記で、あの有名画家のポール・ゴーギャンを丸々モデルに落とし込んだ作品として当時はベストセラーになりました。

 

ゴーギャンをモデルにした主人公で画家のチャールズ・ストリックランド、画家のストルーヴ、語り手の「私」。主な登場人物は3人だけしかいません。登場人物の役割は下記の通り。

ストリックランド=天才

ストルーヴ=凡人

語り手の「私」=傍観者

 

個人的な小説の魅力として、下記の2点が挙げられます。

①軽快な会話の応酬

天才ストリックランドとの会話が非常に魅力的です。ストルーヴと語り手の「私」はあくまで常識人であり、天才の行動が理解できません。そのため常識的見解を彼に話します。しかし、それらについて問いただしても瞬間的に短い言葉で、本質的な切り返しをしてくる天才に言葉が出なくなってしまいます。実際の画家ゴーギャンをモデルにしただけあって、天才とはどの様な考えで行動し、言葉を放つのか。その辺りが楽しめます。

②天才と凡人の関係

天才と対峙した時、人間(凡人)はどうするのか。その答えがこの小説内に込められています。それは、「卑下する者」と「擁護する者」です。基本的に天才ストリックランドは他人から除け者扱いをされてしまいます。作中の彼は無名の画家で45歳から絵を描き始めた変人そのもの。凡人らはそんな彼を卑下します。ですが、ストルーヴだけは彼の天才的画法やセンスに気がついていました。後世に名を残すのは自分ではなく彼だと擁護します。援助したり、自分のアトリエを貸したり、大切なモノを奪われてしまったり、かなり傷つくストルーヴですが、それでも彼を擁護しようとします。ちなみに天才ストリックランドは、「彼は人の世話をするのが好きなだけだ」と一蹴(笑)

 

この小説で、天才と凡人との関係性は、基本的に相容れなくて関係を持ったとしても「擁護する」というポジションになってしまうという結論でした。ちなみにその後、天才ストリックランドは場所を変え更なる絵を描きながら話は進みます。続きは本書で。

 

2.「左利きのエレン」かっぴー(2016年出版)

2019年10月に毎日放送で実写ドラマ化もされた作品。原作は漫画です。本作の1ページ目に「全ての天才になれなかった人達へ」と書いているのがなんだか魅力的でかつ辛辣な印象でした。作品の内容としては、天才的な画力をもつ女性エレンと、広告代理店で働く凡人の光一のそれぞれの葛藤を描くお話。内容としては、凡人を主人公に話を展開しており、かなり共感できることが多く描かれています。「何者かにならないと!」と焦る気持ちを胸にがむしゃらに挑戦し続ける主人公、それとは全く異なる道で腕を上げ続ける天才。しかし実は天才にも悩みがあったのです。

 

個人的な漫画の魅力として、下記の通り。

①天才と凡人が互いに影響し合う

一つ目の「月と6ペンス」では天才と凡人の関係は乖離している状態でした。しかし、この作品では、それぞれ自分の悪いところにフォーカスして、それを改善するため試行錯誤を繰り返します。その際に天才は凡人の、凡人は天才の言動や行動に大きな影響を受けます。例えば天才側のエレンは、絵を書くこと以外の能力が欠如しています。そのせいで劣等感を感じてしまったり、情緒が不安定であったり、そんな中、自分とは違い何故か自分に興味を示す凡人の光一の声に耳を傾けます。見方を変えると彼女も絵以外は凡人であるということがわかります。

 

②凡人が唯一戦える武器

作中でも凡人の光一は、何度も自分は凡人であると自覚し、なおかつ仕事のスタイルも変わり、また戻ったりと迷走します。何者かにならなければという一心から、何度も挫折を経験するのですが、やり続ける姿勢を絶えず見せます。小さな自分の自信を信じてそれに賭ける様子を見た周囲の先輩は「大器晩成である」と評価します。現在の自分に疑いを持ち続け行動しつづけることが凡人にできる唯一天才に勝る武器だということを感じられます。

 

この作品で面白かったのは、自分は凡人でよかったな〜と感じられたことでした(笑)天才になった際の苦痛や辛さというのは全く計り知れず、それしか出来ないということがかなり不幸せにも思えたからです。その分、凡人の方が様々なことで幸福を感じられる要素があって、さらには行動し続けて「大器晩成」と考えると、凡人も悪くはありません。(笑)

 

 

3.「天才を殺す凡人 」北野唯我(2019年出版)

2019年にヒットしたビジネス書です。なかなか刺激的なタイトルで、手にとって読む方もいらっしゃったと思います。内容としては、仕事場に置ける人間関係を払拭したいというテーマがあり、三人の特性が挙げられます。

天才=独創性の強い人

秀才=論理性の強い人

凡人=共感性の強い人

あなたはどこに類しますか?僕の場合は秀才と凡人の間かな、つまり論理性と共感性を持ち合わせている人、ということがわかります。凡人がつまらない人と定義されていなかったので安心しました(笑)なぜ何も出来なさそうな凡人が天才を殺すのか?

 

個人的な書籍の魅力としては、下記の通り。

①凡人の恐ろしい「数の力」

実は、天才は一人だけでは生きていけません。独創性が強いせいで他の人に賛同されず、コミュニティの中で一人だけになってしまいます。そのため、一番数の多い凡人の賛同を得なければならないのです。大多数の凡人の中で批判される、悪として判断されてしまうと天才はみるみる自分の力を発揮できず仕舞いで結果「殺される」。なかなか残酷な事実ですよね。逆に考えると生かすも殺すも凡人次第というのが面白いポイントでした。

 

②凡人がなれる「共感の神」

天才の成功には、実はパートナーとして最高の凡人がタッグを組んでいるのです。その凡人こそ「共感の神」と本書で称される人物像。全てのタイプにも言えますが、凡人の中にも共感性以外に、論理性も独創性も少なからず内在していると本書では書かれています。だからこそ、天才の片鱗を「少ない独創性」で察知し、「共感性」を活用して、世の中にそれを効果的に周知するということです。凡人は、オセロと同じで「周りが良い、テレビなどで評価されていると手のひらを返したかのように意見を変える」という特性があります。そこまでなんとかこじつけられる力は凡人しかいない!!

 

この書籍で面白かったのは、天才は一人ではどうしようもないので、天才であるかを見極めて凡人である人は天才を活用してしまいましょう。という割とサイコパス的な点でした。

 

どうしても天才になりたい!(そう思っている時点でそうではない)が中々現実を直視できず、かつ悩んでいるなら、凡人も悪くないよ!ということがわかるし、凡人だからこそできるパフォーマンスで世界を変えることができるかもしれません。SNSなんて共感性の塊ですからね(笑)

 

稀に、独創性も論理性も共感性も秀でていて、それぞれを切り替えて問題を切り抜けるツワモノがいます。僕はそう言う人を「超人」と呼ぶことにします(笑)

 

月と6ペンスは3時間程度。左利きのエレンは複数巻あるので読破するのに時間がかかります。天才を殺す凡人は2時間程度で読めると思います。