イワケーン日記

何かを巻き起こす良いハリケーンでいたい。建築・インテリアデザインの仕事がメインです。このブログに書いているのは正しい意見ではなく、「僕が感じたこと」の記録です。@iwakeen1017

なぜインスタントカメラが再燃しているのか。

こんにちは。イワケーンです。

「思い出って何だっけ」ということを考えた記事です。

・便利すぎる世の中に違和感がある

・何が大事だったか忘れている気がする

 と悩む方には何か参考になるかもしれません。思い出に対する備忘録。

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目次はこちら!!

 

 1.なんか若者の間でインスタントカメラが再燃しているらしい

テレビかニュースで見たんですけどびっくりした。おじいちゃんやおばあちゃんはともかく、若い子たちの間でまさかの「写ルンです」が再燃しているらしい。最後に使ったのは中学生の頃なので15〜18年前くらいだ。スマホに高性能なカメラが搭載されている時代になかなか斬新な出来事と感じた。

 

2.チェキではなく、インスタントカメラ?

その場で撮影から印刷までできる「チェキ」も流行っている。これに関しては、スマホと違い撮影と同時に印刷できてかつノスタルジックに仕上がるという点で持ちたいという方がいるのは理解できる。だけど、インスタントカメラはそのどちらもできない。スマホのような高画質でもなければ、すぐに印刷できるわけでも、ノスタルジックにできるわけでもない。何なら思い通りの写真を撮れたかも現場で確認できないし、シャッター回数も25回くらい。一体何故?

 

3.不便なところが「良い」

何じゃそら。聞いてびっくりした。ニュースのインタビューで若い子達が話す。「偶然というか限られたシャッター回数の中でどんな写真が撮れているか分からないところがワクワクするし、変な写真が撮れていたら笑えるので」。そういわれると理解できた。確かに友達ととって目を瞑っていたり、フラッシュが眩しすぎて顔が真っ白になってる写真に大笑いしたことがあった。

 

4.きれいに仕上げられたものが良いわけではない

技術の進歩に従って、何となく「きれいに仕上がっている方が良い」ということが「正しい」よね、とモノに対しての尺度をとっていた気がすることに気がついた。誰がとってもきれいに映るプリクラみたいに、誰が撮影してもきれいにとれるカメラやアプリが登場して、それこそが正義である条件みたいになっていた。しかし、このインスタントカメラでいうと、カメラの性能は鼻くそ(すいません)なので、2mくらいのみしか焦点が合わず基本汚く撮影される。なので、美しく撮るも、面白く撮るも、全てはカメラを持つ人の腕次第になっている。だけど、そんな凝り固まった感じでなくても「偶然」を生むモノとして最高のお供であるわけだ。

 

5.思い出を作るツール

もう一つ、これはチェキも含むが、結局のところ「思い出を物理的に残す装置」であるから売れているのではないかと思う。どういうことか??インスタントカメラとスマホの最大の違いは「写真を物理的に出すかどうか」だと思う。もちろんスマホの写真も印刷することはできるが、クラウドやフォルダの中に入れているものが大半でわざわざ印刷する頻度はかなり低い。それに比べてインスタントカメラは、現像しないと写真が見れない(笑)そして、印刷した写真はアルバムという形で物理的に残すことが多い(僕の場合)。結果的に写真は、かさ張らないデータと、がっつりかさ張るアルバムに分かれるわけだ。人によって個人差があると思うが僕の場合、アルバムを開いている時の方が思い出に深く浸れる気がしている(深度計測不能です)。笑ったり、悲しんだり、思い出に浸れるスイッチを作るのには、インスタントカメラの方が都合が良いのかもしれない。

 

6.過去だけは変えられない、だから大事にできる

先日、記憶喪失の方がテレビ出演していて、何とか自分が誰なのかを知ろうとしている様子を見た。正直、過去なんかどうでもよくて、現在というか、これから未来をどう生きるかが大事でしょ。なんて思って見ていた。後で考えるととても恥ずべき考えだった。「生きてきた=過去を作ってきた」訳で、それが軸になって初めてこれからを生きられるよなぁとしみじみ思う。現在も未来も誰かの影響で変えられるかもしれない。しかし、過去は誰の影響も受ける事はない。自分の過去を大事にして、切り撮り方によって面白がったり喜んだりして楽しく生きたいなぁと思った。

 

7.思い出は「捨てない」

なんかスピリチュアル感があることを言ってしまったと、周りから笑われそうな気がする。今回のことは前回の「価値を下げない、守るにはどうするか」という記事から考えた末に思いついたもの。全ての商品において「人間って思い出は捨てない」ということを前提に設計すれば手放さないのではないかと思った。

 

iwakeen.hatenablog.com

 

 

8.最後に

感覚でインスタントカメラって良いよねって気づける10代の人ってすごいなぁっと思っていたら、蜷川実花さんがインスタントカメラだけで撮影した写真展を開催してた。やっぱすごいな。感覚が若いまま。若者とか言っちゃうことに違和感バリバリのイワケーンでした。